母の家出

ただの日記

こんにちは!ゆきです。
ここ二日、私の狭いワンルームに、母(もうすぐ80歳)が家出してきていたんです。

いい年してケンカの多い二人でね。よくあることなんですよ。私の父ときたらホントに…。まあ、悪い人ではないんですけどね。
とにかく口が悪くて、負けず嫌いっていうのか何なのか…。喧嘩になると、売り言葉に買い言葉。言っちゃいけないことまで言っちゃうところがありましてね。発端は些細なことだったらしいけど、今回母が言われたのは

「お前のせいでいつも苦労させられてきた」(むしろ、それは母のセリフ)
「ありがたいと思ったことなんて一度もない」(あーあウソばっかり。感謝してるくせに)
「三つ指ついて謝れ」(はあ???)

思ったんですけど、三つ指って、謝るときにもつくんですかね? 「ようこそいらっしゃいました」ってご挨拶するときにつくのはわかるんですけど、謝るときにつくのはヘンじゃない?

注)調べてみたら、やっぱりヘンでした。武士の頃の挨拶が元になっているようで、「人差し指」「中指」を浮かせることで、頭を下げているときに後方から襲撃されてもとっさに刀を取ることができたからといわれているそうです。現代ではそれが変化して、親指、人差し指、中指をつきます。

母は我慢強いほうではあるのですが、カッときたみたい。わずかな着替えと、なぜか折り畳み傘と間違えて持ってきた空のメガネケースと共に、私のワンルームにやってきました。とるものもとりあえず、飛び出してきたものと思われる。

家出してきたその日に父は、私の妹に電話したようです。これ、いつものパターン。母の家出先はたいてい私のところだから、父はまず、妹にグチを言うんです。
やがて妹から母に着信がありましたが、母はそれを敢えてスルー。私には連絡してこない父。似たもの同士の父と私は普段から折り合いが良くないですし、おそらく今回も、母が私のところにいると高をくくったのでしょう。

そして翌日。めったに来ない父からのメールが。
「昨晩バーバが家を出たきり今朝になっても帰って来ません。こまりました。ジージ。」
困るくらいなら失礼なこと言わなきゃいいのにね。私はこう返しました。

「家出?行きそうなところに連絡しましたか?」

少しは心配させないと。すると、すぐ返信が。

「私と口論の末のことです。夕べ、カオリ(私の妹)だけに連絡しました。本人にはすぐ電話してくれたようだが不通だったそうです。ほかには知らせてません」
「それは心配ですね。私も連絡してみます!」
「今朝、僕からも伝言メッセージしましたが返信はありません。少し様子を見ます」

あの頑固オヤジがすっかり困り果てて八の字眉になってるかと思うと、失礼ながら可笑しい。母とひとしきり笑いました。

― 口論って何?一方的にイチャモンつけといて。
― すっかり家出だと思ってるみたいだけど、どこかに向かう途中に行き倒れになっていたらどうするつもりなんだろうね? もうずっとここにいたら?
― でも、心配しすぎて倒れでもしたら、それはそれで面倒くさいのよ。

いくら母がきていようとも仕事はせねばならぬ。私は在宅勤務を普通にこなし、母はその間、ちょこちょこと部屋を掃除したり、居場所のない部屋で ベッドの上に体育座りで鎮座しながら、さほど興味ないであろう私の本を読んでました。
「私も勉強する」とか言いながら、本の内容をノートにとったりしてました。

母はけっきょく二泊し、三日目の朝「プラスチックごみの日だから」とのたまう。そして、帰っていきました。

帰宅後、父の運転する車でケンタッキーフライドチキンに行ったらしく、帰り道、私の家に寄ってバーガーとナゲットを置いていきました。
老人ふたりにすっかり振り回された二日間でしたが、母のおかげで部屋がちょっと片付いたのと、なんだかんだぜったいに仲直りする、いつもの二人に癒されました。

ちなみに母は、勉強した内容をメモしたノートを、思った通り、部屋に忘れていきました。

タイトルとURLをコピーしました